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第3期「ビジネス特化型インテンシブコース(dot.b)」にご参加いただいた方の中から
3名に集まっていただき、コースの感想や手応えを率直に語っていただきました。
dot.bを体験する前と後で、ご自身に、また業務にどのような変化があったのか?など
それぞれの方から興味深いお話をたくさん伺うことができました。
西出:私は、医療機器をはじめとするヘルスケア製品の研究開発を行う部署にいますが、医学の勉強を専門にしてきたわけではないので、業務の中で疫学的な観点から物事を解釈することに難しさを感じておりました。dot.bには、臨床現場とアカデミアの世界の両方に通じた先生がおられ、直接学ばせていただけます。そんな贅沢な機会はなかなかないので、受講前はそこに期待しました。参加してからは実際の医療データに触れながら分析・解釈を繰り返す中で、座学だけでは得がたい知識が身に付く勉強をさせていただけたと思っています。
松岡:ヘルスケア関連のデータを分析し、価値を提供していく部署に所属しており、私のお客様は医療関係者の方がメインです。dot.bで学ぶことで、医療関係者の方の言葉を理解し議論ができるようになりたいというのがまずありました。また、データ分析を日常的に行っておりますが、データの成り立ちを知る機会がないため、そこに触れるチャンスがある点にも期待しました。加えて、一緒に参加される製薬企業や医療機器べンダーの方にとって、医療データ分析にはどのような課題があり、どのようなニーズがあるのかを知りたいと考えて参加しました。
岩堀:ナショナルデータベースを使った講義や実習体験に期待して、参加を決めました。また、私はもとはエンジニアで、その後アカデミアに入り、現在、製薬会社に勤めています。医学研究は長く続けてきましたが、医療従事者ではないため医療現場についての経験値はほぼありません。dot.bでは医療現場を知ることができた点に最も魅力を感じました。
西出:最初は正直、「ご多忙のところ申し訳ないな」という気持ちが強かったです。しかし、医療従事者の方や病院関係者の方が非常に丁寧に受け入れてくださったので、質問も遠慮なくさせていただけました。そして、医療現場を体験した一番大きな収穫として、医療機器を作っている会社としての視点だけではなく、患者さんの視点や医師の方の視点、看護師さんの視点と、現場の様々な方の視点を想像できるようになったことがあります。私の立場では、こんなにたくさんの医療現場関係者と触れ合う機会は普通はありえませんので、貴重な経験をさせていただいたと感謝しています。
松岡:私は医療現場でデータが生み出されるところについてはほとんど見たことがなかったので、非常に勉強になりました。特に、医師から見たインターフェースとしての電子カルテの特徴を体験できたのが大変興味深かったです。診断学の講義で診療行為のプロセス全体について学び、医療制度の講義で記録及び請求情報としての電子カルテの位置づけを学んだうえで、病院体験をすることができたので、医療従事者の方が何を考えて、どこに注意して入力しているのかをこれまで医療に関わっていない私でもイメージすることができました。それによって、医療データにおける各項目の入力された値の信頼性やそのデータを解釈するうえでの注意点を知ることができたのが非常に良かったです。
また、救急見学をさせていただき、患者さんを目の前にして医師の方がバタバタとされながらも電子力ルテに入力すべきものはしつかり記録を残している姿を拝見した経験は、データを扱う側として身の引き締まる思いがしました。
岩堀:先ほど述べたように、医療現場の実際を学べるという点に価値を感じて参加しました。たとえば、実際に電子カルテの情報がどういった背景で生成されているのか、レセプトの情報がどう生成されるのか、その過程が明らかになったのは一番の収穫だったと思います。データ生成のプロセスはブラックボックスで、わからないがために誤った解釈のもとに、ミスリーディングなメッセージを出してしまうことがあり得ます。dot.bではリアルな医療現場の体験を通じて、医療データが生成される現場を理解することができたので、正しくデータを解釈して適切に利活用するための感覚を身につけることができたと思います。豊富な病院体験は、正しくデータを解釈して、正しい科学的メッセージを発信するためのリテラシーを身につける素晴らしい教育機会だと思います。
西出:ガイドラインをみてもすごくのっぺりして見えていました。でも、医師の方の考えをご教示いただく機会を得たことで、「こういうスキームで物事を考えるんだ」と気づきを得、「こんな意図でここを書いているんだろうな」と推察できるようになり、医療に関わる文書やデータを見る目が養われた気がします。また、参加された企業さんと意見交換をした経験も、いろんな立場の方の考え方を知るいい機会になりました。こうしたことは先ほどの病院体験の話ともつながるのですが、今後開発テーマを考えるときにも、さまざまな登場人物の方々が浮かぶことで、技術的に製品が優れていても、それが現場の医師にとって求めているものなのか、どのような患者がどのような場面でその製品を使うのかということを多角的に想像できるようになりました。そんな風に想像を巡らせる材料を得られたのは今後の財産です。
松岡:医療データ分析を業務にしている私としては、dot.bで学んだことのすべてが役に立つと感じています。業務において、医療データの利活用を進めておりますが、あくまで二次利用であるため、各データの元々の目的を意識することの重要性を強く感じました。レセプトデータは診療報酬請求、電子カルテデータは診療の記録として生成されたデータであり、医療制度や現場の実態を背景として、入力される値の内容や精度に特徴があるため、そこを考慮したデータ分析及び結果の解釈を行うことが大切であり、その際のポイントをdot.bで学ぶことができました。ここは今後の業務においても特に役に立つと感じています。
また、医療データと一口に言っても、多種多様なものが存在しますが、dot.bではそれらのさまざまな医療データについて、幅広くかつその道の専門家の先生方が解説をしてくださります。さらにdot.b参加者間の議論で理解を深めることができたので、これ以上ない効率的な学習環境だと感じました。各企業のニーズに合わせた医療データの選択及びその分析方法の提案や注意点を提示することができるのは、当社の強みになると思いますし、dot.bで学んだことを自信にして、今後の業務に活かしたいと思っています。
岩堀:2020年秋にナショナルデータベースが民間に提供開始されましたが、民間企業が利用する場合には、利用申請を厚生労働省の許認可を得るというプロセスが必要です。さらに、使用に際しては結果の公表義務があり、利用にはハードルがあります。ただ、dot.bで、審査に関わっておられた先生方とも意見交換する機会があり、今後の業務において非常に有益なインサイトを得ることができました。