dot.b 参加者インタビュー2022

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西出 悠人

西出 悠人

企業名: 京セラ株式会社
受 講: 2022年度 第3期dot.b

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松岡 歩

松岡 歩

企業名: 株式会社NTTデータ
受 講: 2022年度 第3期dot.b

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岩堀 敏之

岩堀 敏之

企業名: ヤンセンファーマ株式会社
受 講: 2022年度 第3期dot.b

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西出 悠人
企業名:京セラ株式会社
受 講:2022年度 第3期dot.b
コース終了までの半年間はどうでしたか?
私は医療の知識が乏しかったため、難しいと感じる部分も多く復習の時間は多く要しました。会社が基本的に専任させてくれたことでコースに集中できたことと、先生方に授業や質疑応答で丁寧にご教示いただけたことで、忙殺されることなくしっかり学ぶことができました。
受講前後で感じるご自身の変化は?
まず、医療データの眺め方が変わりました。データができる現場を拝見したことで、提示されたデータの取り方やでき方を想像できるようになり、分析や解釈を先生方から学ぶことで論文等の分析結果の読み方も変わったと感じます。また、技術が届く先を想像するようになりました。モノづくりの中で技術や性能に目が行きがちでしたが、現場の様々な役割の方にお話を伺うことで、その技術を使う場面を想像できるようになったことが大きな変化と感じています。
これからの目標
dot.bの目的が”診療の実態を考慮して医療データの分析結果を解釈できる人材を育成する”ことですが、コースを通して、その重要性をあらためて実感しました。医療現場とデータの両方を知ることがすごく大事で、それをせずにデータを解析してしまう危険性を感じました。今回のようなありがたい機会はなかなかないとは思いますが、現場であったり、データに接触する機会を大切にしていき、そこで得たことをしっかりと丁寧に蓄積して、適切な医療データの利活用に生かしていきたいと思います。
松岡 歩
企業名:株式会社NTTデータ
受 講:2022年度 第3期dot.b
コース終了までの半年間はどうでしたか?
コースと業務の両立はハードなところがありましたが、オンラインがべースであり、出席できない講義も録画を後から観ることができたので、業務の都合に合わせて参加できたのがありがたかったです。また、1週間に1度は自由に質問できる場を設けていただいたり、病院体験の日時の相談に乗っていただいたりと手厚いサポートのおかげで乗り切ることができました。もし、業務を減らすことができないから参加しないというなら、非常にもったいないと思います。先生に相談すれば柔軟に対応してくださるので、まずは相談していただきたいですし、ぜひ参加して欲しいです。半年間はハードでしたが、それ以上に価値のある経験だと思います。
受講前後で感じるご自身の変化は?
今まで医療データと向き合った時に、目の前のデータしか見ることができていなかったのだと感じました。その向こうに、患者さんもいれば医師やその他の医療従事者の方もいますし、さらには製薬企業や医療機器べンダー、そして医療制度もデータに関係しているということを実感し、想像できるようになりました。そのおかげで、データを分析して発表する時も新しいビジネス企画をする時にも、関係するステークホルダーの視点を意識した考え方ができるようになったのは受講前にはなかったことです。実際、上司からも発言に説得力がついたという評価をしてもらうことができ、参加した意義があったと思っています。
これからの目標
まずは医療関連のお客様との打ち合わせのフロントとして調整・議論を行うことを頑張ります。加えて、製薬企業や医療機器べンダーの方と議論する中で得た各社さんのニーズに合わせて、自社ができること・やるべきことを検討し、新規ビジネスの企画提案にも繋げていきたいと考えています。ヘルスケア関連のデータ利活用はこれから更に加速すると思いますが、そこをリードしていく会社であり、自分でありたいと思います。そして、dot.bで得ることのできた繋がりを大切にして、dot.b参加企業様と一緒になって社会に貢献していきたいと思っています。
岩堀 敏之
企業名:ヤンセンファーマ株式会社
受 講:2022年度 第3期dot.b
コース終了までの半年間はどうでしたか?
私は日常業務を抱えながらコースに参加したので、正直しんどかったです。最も忙しかった時は、講義と会社の会議の時間が重複することもあり、その調整は大変でしたが、まさにリモートの環境下だから最後まで参加できたと思っています。実習に出遅れてしまったりした場合は、週末にキャッチアップしてなんとか乗り切ってきました。それでも、最終的に期待していた以上の経験ができたことにとても満足しています。
受講前後で感じるご自身の変化は?
臨床現場という普段はアクセスできない領域を知ることができたことは、私の視野をさらに広げてくれたと思います。もう一点挙げるとすると、やはりナショナルデータベースを実際に触ったことでしょうか。ナショナルデータベースは日本人の人口の98%以上をカバーしている大きなデータですが、dot.bに参加したおかげで、肌感覚でそのデータに触れるようになったことは、コースへの参加前後での大きな差だと思います。
これからの目標
今は、どちらかというと貯まったデータをどう解釈するか?というのが世間の流行りです。ただ、データには必ずノイズが入っていますから、これをうまくクリアして、より効率的で説得力のあるものを生み出していきたいと思っています。日本に革新的な医薬品を提供し、患者さんが困っているところに手を差し伸べられるような、そんなイノベーションの実現に貢献できたらいいなと考えています。

第3期「ビジネス特化型インテンシブコース(dot.b)」にご参加いただいた方の中から
3名に集まっていただき、コースの感想や手応えを率直に語っていただきました。
dot.bを体験する前と後で、ご自身に、また業務にどのような変化があったのか?など
それぞれの方から興味深いお話をたくさん伺うことができました。

INTERVIEW

dot.bに期待したことは?

西出:私は、医療機器をはじめとするヘルスケア製品の研究開発を行う部署にいますが、医学の勉強を専門にしてきたわけではないので、業務の中で疫学的な観点から物事を解釈することに難しさを感じておりました。dot.bには、臨床現場とアカデミアの世界の両方に通じた先生がおられ、直接学ばせていただけます。そんな贅沢な機会はなかなかないので、受講前はそこに期待しました。参加してからは実際の医療データに触れながら分析・解釈を繰り返す中で、座学だけでは得がたい知識が身に付く勉強をさせていただけたと思っています。

松岡:ヘルスケア関連のデータを分析し、価値を提供していく部署に所属しており、私のお客様は医療関係者の方がメインです。dot.bで学ぶことで、医療関係者の方の言葉を理解し議論ができるようになりたいというのがまずありました。また、データ分析を日常的に行っておりますが、データの成り立ちを知る機会がないため、そこに触れるチャンスがある点にも期待しました。加えて、一緒に参加される製薬企業や医療機器べンダーの方にとって、医療データ分析にはどのような課題があり、どのようなニーズがあるのかを知りたいと考えて参加しました。

岩堀:ナショナルデータベースを使った講義や実習体験に期待して、参加を決めました。また、私はもとはエンジニアで、その後アカデミアに入り、現在、製薬会社に勤めています。医学研究は長く続けてきましたが、医療従事者ではないため医療現場についての経験値はほぼありません。dot.bでは医療現場を知ることができた点に最も魅力を感じました。

病院体験の印象はどうでしたか?

西出:最初は正直、「ご多忙のところ申し訳ないな」という気持ちが強かったです。しかし、医療従事者の方や病院関係者の方が非常に丁寧に受け入れてくださったので、質問も遠慮なくさせていただけました。そして、医療現場を体験した一番大きな収穫として、医療機器を作っている会社としての視点だけではなく、患者さんの視点や医師の方の視点、看護師さんの視点と、現場の様々な方の視点を想像できるようになったことがあります。私の立場では、こんなにたくさんの医療現場関係者と触れ合う機会は普通はありえませんので、貴重な経験をさせていただいたと感謝しています。

松岡:私は医療現場でデータが生み出されるところについてはほとんど見たことがなかったので、非常に勉強になりました。特に、医師から見たインターフェースとしての電子カルテの特徴を体験できたのが大変興味深かったです。診断学の講義で診療行為のプロセス全体について学び、医療制度の講義で記録及び請求情報としての電子カルテの位置づけを学んだうえで、病院体験をすることができたので、医療従事者の方が何を考えて、どこに注意して入力しているのかをこれまで医療に関わっていない私でもイメージすることができました。それによって、医療データにおける各項目の入力された値の信頼性やそのデータを解釈するうえでの注意点を知ることができたのが非常に良かったです。
また、救急見学をさせていただき、患者さんを目の前にして医師の方がバタバタとされながらも電子力ルテに入力すべきものはしつかり記録を残している姿を拝見した経験は、データを扱う側として身の引き締まる思いがしました。

岩堀:先ほど述べたように、医療現場の実際を学べるという点に価値を感じて参加しました。たとえば、実際に電子カルテの情報がどういった背景で生成されているのか、レセプトの情報がどう生成されるのか、その過程が明らかになったのは一番の収穫だったと思います。データ生成のプロセスはブラックボックスで、わからないがために誤った解釈のもとに、ミスリーディングなメッセージを出してしまうことがあり得ます。dot.bではリアルな医療現場の体験を通じて、医療データが生成される現場を理解することができたので、正しくデータを解釈して適切に利活用するための感覚を身につけることができたと思います。豊富な病院体験は、正しくデータを解釈して、正しい科学的メッセージを発信するためのリテラシーを身につける素晴らしい教育機会だと思います。

これから職務にどう役立ちますか?

西出:ガイドラインをみてもすごくのっぺりして見えていました。でも、医師の方の考えをご教示いただく機会を得たことで、「こういうスキームで物事を考えるんだ」と気づきを得、「こんな意図でここを書いているんだろうな」と推察できるようになり、医療に関わる文書やデータを見る目が養われた気がします。また、参加された企業さんと意見交換をした経験も、いろんな立場の方の考え方を知るいい機会になりました。こうしたことは先ほどの病院体験の話ともつながるのですが、今後開発テーマを考えるときにも、さまざまな登場人物の方々が浮かぶことで、技術的に製品が優れていても、それが現場の医師にとって求めているものなのか、どのような患者がどのような場面でその製品を使うのかということを多角的に想像できるようになりました。そんな風に想像を巡らせる材料を得られたのは今後の財産です。

松岡:医療データ分析を業務にしている私としては、dot.bで学んだことのすべてが役に立つと感じています。業務において、医療データの利活用を進めておりますが、あくまで二次利用であるため、各データの元々の目的を意識することの重要性を強く感じました。レセプトデータは診療報酬請求、電子カルテデータは診療の記録として生成されたデータであり、医療制度や現場の実態を背景として、入力される値の内容や精度に特徴があるため、そこを考慮したデータ分析及び結果の解釈を行うことが大切であり、その際のポイントをdot.bで学ぶことができました。ここは今後の業務においても特に役に立つと感じています。
また、医療データと一口に言っても、多種多様なものが存在しますが、dot.bではそれらのさまざまな医療データについて、幅広くかつその道の専門家の先生方が解説をしてくださります。さらにdot.b参加者間の議論で理解を深めることができたので、これ以上ない効率的な学習環境だと感じました。各企業のニーズに合わせた医療データの選択及びその分析方法の提案や注意点を提示することができるのは、当社の強みになると思いますし、dot.bで学んだことを自信にして、今後の業務に活かしたいと思っています。

岩堀:2020年秋にナショナルデータベースが民間に提供開始されましたが、民間企業が利用する場合には、利用申請を厚生労働省の許認可を得るというプロセスが必要です。さらに、使用に際しては結果の公表義務があり、利用にはハードルがあります。ただ、dot.bで、審査に関わっておられた先生方とも意見交換する機会があり、今後の業務において非常に有益なインサイトを得ることができました。